【内科医監修】「血圧が気になる方」がおさえるべき3つのポイント
年齢を重ねたり生活習慣の乱れによって確実に忍び寄る「高血圧」。血圧が高いのはよくないと分かっていても、これまでの食生活をガラリと変えるのは難しいですよね。今回は、簡単にチャレンジできる「高血圧」を予防のための生活習慣のコツをご紹介します。
日本で約4300万人の患者がいると推測されている「高血圧」。健康診断などで「血圧が高め」や「高血圧」と指摘をされたことがある方も多いのではないでしょうか。
高血圧の予防や治療において食事制限はよく言われることですが「食べてはいけない…」というストレスなく毎日美味しい食事を楽しみたいですよね。
今回は、日常の中で注意したい「血圧が上がりやすいタイミング」と「高血圧予防の3つのポイント」を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
深層1:血圧上昇を招きやすいタイミングって?
「血圧高め」「高血圧(※1)」の方はもちろん、そうでない方も日常生活の中で急激な血圧上昇が起こることがあります。血圧が上がりやすいタイミングには次のような場面があります。
※1)日本高血圧学会が定める「高血圧治療ガイドライン2014」の「Ⅰ度高血圧(最高血圧140~159 mmHg かつ/または 最低血圧90~99 mmHg)以上を一般的に高血圧とよびます。ここでは、特別な記載や注釈が無い限り、「高血圧」とは「Ⅰ度高血圧」以上のこといいます。
温度差の激しい場所を移動する時
血圧は季節によっても変動します。夏は、1年の中で血圧が下がる季節ですが、外からエアコンの効いた室内に入る際は、急激な血圧の上昇を招くことがあり注意が必要です。
一方、気温の低い冬は血管が収縮しやすく、血圧が上がりやすい季節です。暖かい室内から屋外や気温の低い部屋などへ行く際は、急激な温度変化に備えて保温に努めてください。
入浴時
冷たい脱衣場や浴室と比べ、熱い湯舟。冬場の入浴は気温の差が大きく、血管の事故も起こりやすくなります。冷気による血圧の上昇を予防するためには、あらかじめ脱衣場や浴室を暖め、気温の差を小さくしておくことが大切です。
また、適度な温度のお湯は血管を緩め血圧を低くする方向に働きますが、熱すぎるお湯は逆に血圧を上昇させてしまいます。お湯の温度は42℃以上にしないように注意しましょう。
さらにお風呂では、汗とともに水分とミネラルが失われます。すると、脱水を引き起こす原因となるほか、命に関わる脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも高まります。これら予防のためにも入浴前後は適度な水分補給を心掛けましょう。
運動時
一般的に、適度な運動習慣は血圧を下げる方向に働きますが、負荷の高い筋トレや競泳や短距離走などの激しい運動は心臓発作などにつながる可能性があるため、高血圧の方はウォーキングや自転車こぎなどの有酸素運動と、負荷の軽い筋力トレーニングを中心に行いましょう。
トイレ時
排便時のいきむ動作は腹圧や胸腔内圧を高めて、血圧の上昇を招きます。いきむ必要のない快適な排便のために、食物繊維を意識して摂るなど日常の食事にも気を配りましょう。
ストレスのかかる環境
ストレスを受けると、交感神経の働きが活発になり、心拍数が高くなったり、血管が収縮し、血圧の上昇を招きやすくなります。
仕事やプライベートで「ストレスを感じているなぁ」と感じたら、休憩を挟むなど、その状態を長く続けないように意識することが大切です。
深層2:高血圧予防の3つのポイントを知ろう
それでは、高血圧を予防するためにはどうすればよいのでしょうか。高血圧対策の中で大切なのは食事の栄養バランスと適度な運動だと言われています。高血圧予防のポイントには次のようなものがあります。
ポイント① 食事の栄養素を意識する
・カリウムの積極的な摂取
血圧を気にする食生活で意識したいのが、カリウムの摂取です。カリウムは生命維持に欠かせないミネラルの1つで、体内の余分な塩分(ナトリウム)を体外に排出し、血圧降下を促す働きを持ちます。
高血圧の予防には1日3500mgのカリウム摂取が推奨されています(50gの納豆1パックのカリウム含有量は約350mg、200gの野菜サラダ1皿の含有量は約1,000mg)。
カリウムが多い食材は、果物、生野菜、豆類、いも類、海藻などです。加熱や浸水により流れ出てしまいやすい点に気をつけて調理しましょう。
・DHAやEPAの積極的な摂取
青魚に豊富に含まれるDHAやEPAは、体内でごくわずかしか作られない必須脂肪酸の1つで主に、いわし、まぐろ、さばなどの青魚の脂に豊富に含まれています。これらには血液をさらさらにして血栓を防ぐほか、中性脂肪や悪玉のLDLコレステロールを減らすはたらきがあります。
また、亜麻仁油やシソ油などα-リノレン酸を含む食品を摂取すると、体内でEPAに変換されます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、DHAやEPAの最低目標摂取量を1日1g以上と定めており、これは青魚約90g(いわし1尾が約80g)に相当します。
ポイント② 「運動」を見直す
適度な運動を続けることは、心肺機能を高め全身の血液循環を良くするとともに、血圧の上昇を招く物質を低下させることで血圧を下げることにつながります。
運動の内容としては、ゆっくり体を動かし酸素を十分取り込みながら行える「有酸素運動」が望ましいとされ、代表的な「有酸素運動」にはウォーキングやエアロビクス、ラジオ体操などが挙げられます。
ポイント③ マグネシウムを多く含む水を飲む
マグネシウムは血管を柔らかくしたり、塩分(ナトリウム)排出に役立つミネラルですが、アーモンドなど種実類や海藻など、毎日大量に摂取することが難しい食材に多く含まれています。
不足しがちな栄養素は少しでも手軽に補給しようとすると、ついサプリメントに手が伸びがちですが、自然な食品で毎日続けられる「水」に着目してみてはいかがでしょうか。たとえばマグネシウムを多く含む海洋深層水★なら、現代人に不足しがちなミネラルを効率的に摂取することができます。
★一般的な海洋深層水飲料のことを示しています。
171名の成人の被験者を一般的にいう高血圧の群(収縮期血圧(※2)140mmHg以上)と、そうでない群(収縮期血圧140mmHg未満)に分け、マグネシウムを多く含む海洋深層水を1日500mlずつ継続的に摂取してもらった調査があります。
この調査では、1か月ごとに被験者の血液検査を行ったところ、「Ⅰ度高血圧の群(収縮期高血圧(140~159mmHg))」の方には飲用1か月程度で血圧降下傾向がみられたという結果(※3)が報告されています。この効果は、血圧が高めの方に顕著で、正常な方には影響がないことが特徴です。
※2)最高血圧
※3)赤穂化成株式会社とユニチカ中央病院との共同研究結果
まとめ
毎日補給するものだからこそ、海洋深層水からできた水のように自然な食品で補った方が、体にとっても負担なく優しいものとも言えそうです。
適度な運動や、栄養バランスのとれた食事と組み合わせることで、無理なく高血圧の予防を行いましょう。