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疲労回復に役立つマグネシウムとは?効果的な食品をご紹介します!

マグネシウムは身体の中で合成できない必須ミネラルで、体の機能維持に不可欠な栄養素の一つです。そんなマグネシウムは、私たちが疲れたとき、疲労回復に役立つとされています。今回は、マグネシウムがどうやって身体の疲労回復をするのか、マグネシウムが多く含まれる食品としてどんなものを食べればいいのかなどをご紹介します。

マグネシウムってどんなミネラル?

そもそも、マグネシウムとはどんなミネラルなのでしょうか。

マグネシウムは身体の中でどんな働きをするの?

マグネシウム(magnesium: Mg)は、人間が生きていく上で欠かせない「必須ミネラル」の一つで、糖質や脂質を分解してエネルギーに変える「エネルギー代謝」や、身体を作るためのタンパク質や脂質を合成したり、遺伝子を作ったりと、身体の中で300種類以上もの反応を助ける「補助因子」です。

さらに、細胞ではマグネシウムイオン(Mg2+)の形で神経や筋肉の動きに関わり、心臓の拍動やホルモンの分泌など、生命維持のための重要な働きにも関わっています。

マグネシウムが減るとどうなるの?

マグネシウムが足りない状態が続くと、心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病や血液ドロドロ、骨粗鬆症のリスクが高まります。細胞内にカルシウムが溜まり、筋肉が酸素を消費しすぎたり興奮しすぎたりして、筋肉疲労の原因にもなってしまいます。これが筋肉や神経の働きに悪影響を及ぼし、筋けいれん(手足のつり・こむら返り)などを引き起こすこともあります。

日本人は慢性的なマグネシウム不足!

30~49歳の日本人では、1日当たり女性約80mg、男性約130mgのマグネシウムが不足していることがわかっています(「日本人の食事摂取基準」(2015)、「国民健康・栄養調査栄養素等摂取量」(2017)から算出(30~49歳))。これは、穀類や海藻類などマグネシウムの豊富な食物の摂取不足が主な原因と考えられています。

さらに、ファストフードなどに含まれる「リン酸塩」の取り過ぎがマグネシウムの吸収を阻害し、よりマグネシウムが体内に取り込まれにくくなっていると考えられるため、注意が必要です。マグネシウムは汗からも失われますので、発汗量が多い人は特に気をつけなくてはなりません。

マグネシウムは疲労回復に効く!?

上記のようにたくさんの働きがあるマグネシウムですが、疲労回復にも効くとされています。

運動に欠かせないマグネシウムの働き

マグネシウムは筋肉の収縮、酸素の取り込み、エネルギー産生、電解質のバランスなど、運動に関係する身体の機能において、非常に重要な役割を果たしています。特に、筋肉が運動するために必要なエネルギー「ATP」を作るため、マグネシウムが血中から筋肉細胞に取り込まれて使われることがわかっています。

また、運動を長時間行う人は汗からマグネシウムが失われますが、高温で湿度の高い環境では発汗量が増えるため、よりマグネシウムが失われやすくなるのです。運動がハードになると、筋肉がダメージを受けるため筋細胞からマグネシウムが流れ出てしまい、尿中に排出されてしまうこともあります。

マグネシウム不足は疲労につながる?

加齢や偏ったダイエットによって筋肉量が少なくなると、マグネシウムの「貯蔵庫」が小さくなり、マグネシウム不足につながってしまいます。マグネシウムの少ない食事(肉類・卵・精製炭水化物など)を摂り続けた場合、マグネシウムの多い食事(たとえば豆類、精製されていない穀類、緑色葉野菜など)を摂った場合と比べて血中や筋肉中のマグネシウム量が少なくなり、運動中の心拍数や酸素消費量が増え、疲れやすくなってしまう可能性があるのです。

マグネシウムが足りないと、赤血球が酸素を運ぶ能力も低くなってしまい、筋肉に効率よく酸素を運べなくなってしまいます。すると、運動中に呼吸が辛くなり、疲労が早く起こりやすくなってしまうかもしれません。

運動によるダメージ・ストレスからの疲労回復にマグネシウムが関係

運動による酸化ダメージや酸化ストレスからの疲労回復に必要な「免疫機能」にも、マグネシウムが重要な役割を果たしているとわかっています。つまり、マグネシウムが足りないと運動からの疲労回復が遅れ、酸化ストレスが増えて免疫機能をさらに低下させる可能性があるということです。酸化ストレスが増えると、筋肉細胞が余計に炎症してしまい、細胞内のDNAにもダメージがあるかもしれません。

だるさや精神の疲労回復にもマグネシウムがイイ!

マグネシウムサプリメントを習慣的に摂取することで、疲労の自覚症状が軽減されたという報告があり、マグネシウムの摂取不足や体内の貯蔵量の減少とうつ症状には関連性があるらしいという指摘もあります。マグネシウムサプリメントを摂取することで、軽い不安症やストレスを改善したとの報告もあることから、心身の疲労回復にマグネシウムが効果を発揮する可能性が示されています。

マグネシウムの豊富な食材や海洋深層水飲料を摂ろう!

マグネシウムの豊富な食材は「そばのひ孫と孫わ(は)やさしい子かい?納得!!」と覚えましょう。

そば、バナナ、のり、ひじき、豆、五穀、豆腐、抹茶、胡麻、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いちじく、昆布、牡蠣、いも、納豆、とうもろこし、クルミが、マグネシウムを豊富に含んでいる食材です。

マグネシウムを多く含んだ食材については、こちらの記事で詳しく解説しています。

また、手軽に摂取するなら、マグネシウムを多く含む海洋深層水飲料やにがりを「ちょい足し」するのもおすすめです。にがりを含んだデトックスウォーターの作り方は、こちらの記事でご紹介しています。

まとめ

マグネシウムは運動に必要な筋肉の収縮や、心臓の拍動、酸素の運搬などに重要な役割を果たしています。マグネシウム不足は、疲れやすさや筋けいれんを引き起こすことも。マグネシウムの豊富な食材や海洋深層水飲料で、上手にマグネシウムを摂取しましょう。

監修者プロフィール

彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長
彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長

スポーツ栄養学の観点からも、運動やスポーツにおけるマグネシウムの働きには注目すべきところが多くあります。にがりを水や飲料に薄めて使用することで、スポーツや運動を楽しむ方が日常から手軽に海からの自然なマグネシウムを摂取することができます。

【プロフィール】
オレゴン州立大学健康人間科学研究科博士課程修了。博士(Ph.D.)。NPO法人チャレンジ・アスリート・ファンデーション理事長。横浜市病院協会看護専門学校非常勤講師。
専門は運動生理学・栄養学・トレーニング学。トライアスロン歴32年。

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