寒天ダイエットで痩せるって本当?おすすめ寒天レシピもご紹介!
昔から日本では、ようかんやあんみつ、ところてんなどのちょっとしたおやつの材料として寒天がよく使われてきました。そんな歴史から液体を固めるもの、おやつとしてのイメージが強い寒天ですが、実は食物繊維が豊富でダイエットにぴったりの食材だということがわかり、近年注目を集めています。今回は、そんな寒天のダイエット効果や、おすすめレシピをご紹介します。
寒天ってなに?
寒天とは日本人が約350年前に開発した食品で、テングサ、オゴノリなどの海藻類が原料です。これを煮詰めてろ過し、固めたものが「ところてん」と呼ばれています。この「ところてん」をさらに凍結乾燥させたものが「寒天 」で、粉寒天、糸寒天、角寒天の3種類があります。
寒天ダイエットでやせるのはなぜ?
寒天には食物繊維が豊富に含まれていて(100g中約74g)、その割合は 全食品中No.1 です。食物繊維には水溶性・不溶性の2種類があり、それぞれ以下のような性質を持っています。
- 水溶性:水に溶けてドロドロの状態になる。腸内で栄養素を包み込んでゲル化
- 不溶性:水に溶けず胃の中に長く留まり、胃や腸で水分を吸収して膨らむ
寒天に含まれる食物繊維は基本的に水溶性と言われていますが、最近の研究で不溶性の働きをすることもわかってきました。そんな寒天でやせられる理由は4つあります。詳しく見ていきましょう。
理由1:カロリーがほとんどゼロ
寒天の主成分は食物繊維なので、体内で吸収されにくくほとんどエネルギーになりません。つまり、カロリーがゼロに近く、食べても太りにくいのです。ダイエット食品としてよく知られる春雨や豆腐と比べても、100gあたりのカロリーは寒天が最も低く、しかも天然海藻が原料なので身体にやさしいという特徴があります。
- 春雨:345kcal
- 絹ごし豆腐:56kcal
- こんにゃく:5kcal
- 寒天:3kcal
理由2:満腹感があり、食べ過ぎ防止になる
ダイエット中に辛いのは、やはりお腹がすいてしまうこと。しかし、寒天は1gで100mLもの水を吸着できるので、噛む回数が多くなって満腹中枢が刺激されます。さらに胃の中に入ると、食物繊維が水分を吸収して数倍〜数十倍に膨らむので満腹感を感じやすくなります。
しかも、膨らんだ食物繊維は胃の中で長くとどまるので満腹感が続き、通常より少ない食事でも満足できるというわけです。寒天そのものは無味無臭なので、さまざまな味つけや他の食材との組み合わせも可能。ぜひ、後にご紹介するさまざまなアレンジを楽しんでください。
理由3:腸が活発に動き、便秘に効く
不溶性食物繊維としても働く寒天の食物繊維は、腸へ移動すると水分をさらに吸収して膨らみ、便のかさを増やします。すると、腸壁を刺激して便秘改善にも効果を発揮。さらに、腸の動きが活発になるとエネルギーが消費されて基礎代謝があがり、痩せやすくなります。
理由4:糖と脂質の吸収をゆるやかにする
水溶性食物繊維は腸内に入るとドロドロになり、栄養素を包み込んでゲル化します。するとゆっくりと移動するので、糖や脂肪の吸収を遅らせることができ、ホルモンの一種であるインスリンが効率的に働くので、中性脂肪がお腹などに溜まりにくくなるのです。
しかも、体外へ排出するのを促してくれるため二重に肥満防止の効果が期待できます。
寒天ダイエットの基本的なやり方
では、実際に寒天ダイエットの基本的なやり方について見ていきましょう。
寒天ダイエットの基本とは
寒天の摂取量目安は、1日に粉寒天で約6g(糸寒天なら18〜20本、角寒天なら3/4本)です。これを朝・昼・晩の3回に分け、食事の10分前に摂取します。その他、間食や夜食の代わりに摂取したり、食事中に摂取したりしてもOKです。
「夕食前寒天ダイエット」の効果とは?
とある研究によると、軽い肥満と糖尿病のある患者さん76人を2つのグループに分け、片方には夕食前に寒天180g(吸水後。お茶碗1杯程度)を食べてから、もう一方と同じ栄養バランスの良い食事を食べてもらいました。これを12週間続けたところ、寒天を食べたグループは体重が平均4.4%減り、ダイエットに成功した人が多く見られました。
多くの日本人は、1日のエネルギー摂取量の半分以上を夕食から摂取しています。しかし、夕食後は運動量が少なく、エネルギーが燃焼されにくいため、余った分が中性脂肪に変化してしまうのです。このことから、夕食前の寒天が最も効果的と考えられます。
出典:
主婦の友社 2020年7月10日発行
朽久保修 医学監修
寒天ダイエット
寒天ダイエットのおすすめレシピと注意点
無味無臭の寒天は、さまざまなアレンジレシピが楽しめます。ここでは、ダイエットにおすすめのレシピをご紹介しますので、ぜひ作ってみてくださいね。
基本のプレーン寒天
まずは、粉寒天から基本のプレーン寒天を作ってみましょう。
- ・粉寒天 4g
- ・水 500ml
- 1.鍋に水、粉寒天を入れて混ぜてから火にかける。弱火で混ぜながらじっくり煮溶かす。
- 2.寒天が溶けたら火からおろし、あら熱が取れたら流し缶に流し入れる。
- 3.冷蔵庫に入れ、固まったら容器から出して食べやすい大きさに切り分けてできあがり。
寒天は常温でも固まりますが、冷蔵庫で冷やすとより美味しく食べられます。そのままでは味がなく食べにくいという場合は、黒みつや酢醤油などをかけても美味しいですよ。
だし寒天
寒天はそのままだと無味無臭ですが、煮溶かす段階で調味料を混ぜれば味もつけられます。
- ・だし汁 600ml
- ・粉寒天 5g
- ・しょうゆ 小さじ1
- ・塩 小さじ1
- 1.鍋にだし汁と粉寒天を入れ、よく混ぜてから火にかける。沸騰したら弱火にし、混ぜながら2分ほど煮る。
- 2.鍋を火からおろしてしょうゆ・塩を加えて混ぜる。
- 3.流し缶を軽く水でぬらしてから2.を流し入れて固める。
プレーン寒天にだしの味をつけた「だし寒天」は、蒸し野菜や湯豆腐などにかけるとやさしいだしの味が広がります。ジュレの代わりにさまざまな料理にかけるのもおすすめです。
アレンジレシピ:寒天入りバルサミコドレッシング
ドレッシングに寒天を入れ、食感を楽しむレシピです。
- ・プレーン寒天
- ☆バルサミコ酢 大さじ1
- ☆オリーブオイル 大さじ2
- ☆はちみつ 小さじ1
- ☆塩 小さじ1/4
- 1. プレーン寒天をフォークなどでくずす。
- 2.☆をボウルに入れてよく混ぜ、1.を加えて混ぜ合わせる。
- 3.お好みのサラダにかけていただく。
時間が経つと寒天から水分が出たり溶け出したりしてしまうので、長期保存には向きません。食べる直前に作りましょう。
アレンジレシピ:オレンジジュース寒天
最後に、ゼリーのように食べられるスイーツ寒天をご紹介します。
- ・果汁100%オレンジジュース 500ml
- ・粉寒天 3g
- 1.鍋にオレンジジュース、粉寒天を入れて混ぜ、中火で加熱する。混ぜながら寒天を煮溶かして沸騰したら火からおろす。
- 2.カップに注ぎ入れ、あら熱が取れたら冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めてできあがり。
おやつとしてゼリーの代わりに美味しく食べられる寒天です。寒天は沸騰させないと固まりにくくなってしまうので、一度沸騰させることに注意しましょう。
寒天ダイエットの注意点は?
寒天ダイエットを行うときは、以下のようなことに注意しましょう。
- ・牛乳などタンパク質や脂質が多い液体には溶けにくいので、まず水で寒天を溶かしてから加えて固める
- ・極端な量を食べ過ぎない限り、通常の食事の範囲内で多く食べて悪いことはない
また、寒天とゼラチンはよく似ていますが、成分は全く異なります。寒天の主成分は食物繊維で、ゼラチンは動物性タンパク質です。ゼラチンは100gあたりのカロリーが344kcalもあるので、ゼリーより寒天を食べる方が良いでしょう。
まとめ
寒天は水溶性食物繊維が豊富ですが、不溶性食物繊維の働きもします。そのため、胃の中で膨らんで満腹感をもたらしたり、腸を活発にして便秘解消や基礎代謝アップしたりできるのです。特に夕食前に食べると効果的なので、ぜひ試してみてください。
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