塩で美味しくなる!お正月の簡単おもてなしレシピ
秋も深まり、年末が近づいてくるとお正月の用意もそろそろ考え始める時期です。お正月にはおせち料理やお雑煮を食べるご家庭も多いでしょうが、毎日同じメニューばかりでは飽きてしまいますよね。 そこで、今回は粗塩を使って手軽に作れる、お正月のおもてなしレシピをご紹介します。おせちやお雑煮に飽きてきたら、ぜひ作ってみてくださいね。
適塩(てきえん)で素材の旨みを味わう
塩分は減らすことばかり提唱されがちですが、上手に使うと少量の使用で食材の旨みを引き立て、複雑で奥行きのある味わいが楽しめます。サラサラとした食卓塩と粗塩(あらじお)の違いも含めて確認しましょう。
生命維持にも不可欠な、塩の持つチカラ
塩は唯一無二の存在で、他の食品では置き換えができません。日常の食生活で不足することはありませんが、夏、大量の汗をかくと体内のミネラルバランスが崩れて熱中症になる可能性があります。塩の主成分「ナトリウム」はカリウムとともに体内の水分バランスや細胞外液の浸透圧を維持しているほか、筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送などにも関わっています。
また、料理に使われる塩は単に味を整えたり引き締めたりするだけでなく、以下のようなさまざまな効果も期待できます。
- ・柔らかくする:魚に塩を振ると、塩によって水分が出てから取り込まれるため、しっとりした食感に
- ・保存性を高める:食品中の水分を塩が吸い取るため、微生物の繁殖を抑える
- ・臭みやアクをとる:塩の浸透圧により、臭みやアクの成分が排出される
- ・変色、色落ちを防ぐ:酸化酵素の働きを抑えるので、青野菜の下茹でなどに塩を加えると色が鮮やか
- ・うま味を引き出す:漬物では塩気がつくだけでなく、浸透圧で野菜の水分が抜け、うま味が引き出される
食卓塩と粗塩はどう違う?
一般的に市販されているサラサラの食卓塩は「食塩」であり、99%以上が塩化ナトリウムです。一方、よく「粗塩(あらじお)」と呼ばれるしっとりとした塩は、90%以上が塩化ナトリウムですが、微量ミネラルも含まれています。
海水は煮詰めると、水分が蒸発し塩が結晶化します。塩が出来たあとに残る液体が「にがり」で、かつて日本の塩田で作られていたのも「にがり」を含む塩です。にがりの主成分は塩化マグネシウムで、そのまま舐めると強い苦味を感じますがにがりを含む塩は料理の味に、複雑な奥深さやコクをもたらすほか、食材に働きかけ、マグネシウムの持つ料理効果も得られます。
今回ご紹介する料理は、いずれも塩が重要な料理です。ぜひ、にがりの多い粗塩を使ってみてはいかがでしょうか。
塩で引き立つ、簡単おもてなしレシピ3選
では、実際に粗塩を使ったレシピを3つご紹介します。お正月などのおもてなし料理にぴったりなので、ぜひチャレンジしてみてください。
おめでたい日のおもてなしに「鯛の塩釜焼き」
鯛をまるごと包んだ塩釜焼きは、おめでたい日の料理にぴったりです。お正月らしい華やかな料理なので、見栄えが良く喜ばれやすいでしょう。
- <材料>
- 鯛…1尾
- 赤穂の天塩(粗塩)…1kg
- 卵白…3個
- 小麦粉…大さじ3
- 昆布…2枚
- 大葉…6枚
- レモン…1個
- <作り方>
- 1.鯛は鱗と内臓をとり、水気をしっかりとる
- 2.塩、卵白、小麦粉をしっかり混ぜる
- 3.天板にクッキングシートを広げ、2.を鯛の大きさより少し大きめに広げる
- 4.昆布1枚、大葉3枚をしいて鯛をのせ、その上に大葉3枚、昆布をのせる
- 5.残りの塩釜の材料をのせて、しっかり鯛を覆う
- 6.余熱した180℃のオーブンで、25~30分焼く
- 7.焼けたら塩釜を割り、レモンをお好みでかける
塩、卵白、小麦粉を混ぜて塩釜を作る工程は、お子さまも一緒に楽しめます。今回はお正月ということで鯛に成形しましたが、スノーマンやウサギの形にしても可愛いですよ。食材は、鯛の他にもエビや皮つきのジャガイモを使っても美味しく仕上がります。牛もも肉の塊で調理すると、ローストビーフにも!オーブンや魚焼きグリルに入れて焼くだけなので、他のメニューを調理している間に出来上がります。
真っ白いだけではなんとなく物足りない、という場合は、塩釜に焼き色で模様やメッセージをつけることもできます。卵黄を少量の水で溶き、塩釜に竹串を使って模様・メッセージを書くと、焼き色がついて楽しめますよ。
ねぎ塩だれで和風にいただく「温野菜のせいろ蒸し」
お正月の時期は寒いので、温野菜で身体の中から温めるのもおすすめです。和風のねぎ塩だれなら、おせちやお雑煮など他の和風料理にも合います。
- <材料>
- お好きな野菜(レンコン、南瓜、ブロッコリー、きのこ等)
- 赤穂の天塩(粗塩)…少々
- ☆ねぎ塩だれ
- 白ネギ…1/2本
- 生姜…1かけ
- 赤穂の天塩(粗塩)…小さじ1/2
- ゴマ油…大さじ3
- すりごま…大さじ1
-
<作り方>
- 1.野菜は、食べやすいサイズに切る。
- 2.セイロにクッキングシートをしき、野菜を並べる。
- 3.蒸気の上がった蒸し器にセットし、10~15分蒸す。
- 4.白ネギ、生姜は刻み、ねぎ塩ダレの材料を混ぜ合わせておく。
- 5.蒸し上がった野菜に、塩や、ねぎ塩ダレをお好みでかける。
大人から子どもまで大人気「塩大福」
お休みでもあるお正月は、大人も子どももおやつを食べる機会が増えます。塩大福は、幅広い年代に人気のおやつです。ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。
- <材料(4〜6個)>
- ☆白玉粉…100g
- ☆水…120ml
- ☆砂糖…40g
- ☆赤穂の天塩(粗塩)…小さじ1/4
- つぶあん(市販)…200g
- 片栗粉…適量
- <作り方>
- 1.☆の食材を、しっかり泡だて器で混ぜる。
- 2.ラップして、600wで3分レンジにかける。
- 3.ヘラで全体を混ぜて再度ラップし、600wで30秒レンジにかける。
- 4.ヘラで、ツヤが出るまでしっかり混ぜる。
- 5.バットに片栗粉をしいて、もちの両面にまぶす。
- 6.好みの個数に切り分け、もちを手のひらの上で伸ばし、つぶあんを包む。
まとめ
一般的な食卓塩はほぼ純粋な塩化ナトリウムですが、粗塩は海水に含まれるミネラル(にがり)が含まれており、料理に使うとミネラルのおかげで味に深みやコクが生まれます。和食には食材に密着しやすい粗塩が適しており、今回ご紹介した料理はいずれも塩の味が重要なものばかりなので、是非にがりを含んだ粗塩で作ってみてはいかがでしょうか。