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プロテインの摂取量が足りない女性におすすめ、正しいプロテインの摂り方

筋トレのお供にプロテインパウダー、という組み合わせはよく見られます。たんぱく質を十分に摂取することで、刺激を与えて傷ついた筋肉を修復すると同時に、筋量を維持したり増やしたりできるためです。女性はたんぱく質不足になりがちなので、ダイエットや筋トレをする女性には、効率的にたんぱく質を摂取できるプロテインパウダーがおすすめ。今回は、女性にとって正しいプロテインの摂り方をご紹介します。

女性に必要なたんぱく質の摂取量とは

女性はたんぱく質不足になりがちだと言われますが、まずはその理由や予防方法を確認しましょう。

女性はたんぱく質不足になりがち?

1日に必要なたんぱく質の摂取量は、一般的に体重1kg あたり0.8g程度とされています。運動する人の場合、体重1kg あたり1.2g〜1.5g摂取すれば「除脂肪体重(主に筋量や骨量)」を維持し、体組成を改善できると考えられています。つまり、たんぱく質は筋肉の維持・増加だけでなく、骨の健康維持にとっても大切な栄養素なのです。

しかし、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、ほとんど全ての年代で上記の必要摂取量に満たず、現代女性はたんぱく質不足だと考えられます。しかも、これは身体活動量が普通程度の女性の場合です。ダイエットのため、身体づくりのためなど運動している人ではもっとたんぱく質が必要なため、ぜひ意識的にたんぱく質の摂取量を増やしましょう。

詳しくは、彦井先生監修の以前の記事をぜひ読んでみてください。

ダイエットで陥りがちな「筋量減少」のワナ


ダイエットでは、体重が減れば良いと思っていませんか?しかし、これこそが陥りやすいワナなのです。極端な食事制限など、必要な栄養を取らずにダイエットのためと運動していると、筋肉もエネルギー源として消費され、減っていってしまいます。筋量が減ると、以下のようなデメリットが出てきます。

  • ・リバウンドしやすくなる
  • ・疲れやすくなる
  • ・身体のラインが崩れる
  • ・怪我や身体の痛みが増える

筋トレや運動とともに、十分なたんぱく質を摂取すれば筋肉量を維持したり、増やしたりできます。ダイエットの際は筋肉まで消費してしまわないよう、たんぱく質の摂取を忘れないようにしましょう。

体重が減ったと喜んでいたら、筋量が減って基礎代謝まで落ちていた…なんてイヤですよね。

たんぱく質の摂取で筋量減少を抑制


2018年に発表された研究(Smithら)では、3~6か月間のカロリー制限を伴う減量プログラムに参加した女性の体重が5~10%低下したと報告があります。

さらに、たんぱく質を体重1kg あたり0.8g摂取したグループと比較して、たんぱく質サプリメント(プロテインパウダー)を加えて体重1kgあたり1.2gのたんぱく質を摂取したグループでは、減量に伴う全身や脚の筋量の減少が抑制されたと報告されています。つまり、たんぱく質をしっかり摂取したグループでは、ダイエットに成功しながらも筋量はあまり減らずに済んだ、というわけです。

同様に、12週間のカロリー制限食事プログラムで減量した女性では、プロテインパウダーを摂取したグループのほうが、同じ量のたんぱく質を摂取したグループより、体重と体脂肪量の減少が大きい傾向にあったことがこれまでの研究で示されています(Frestedtら2008年)。

これらの研究からわかることは、食事制限しながら減量を行っている女性は、たんぱく質の摂取量が不足しないように注意すべきだということ、たんぱく質不足を補うには、食事からの摂取だけでなく、プロテインパウダーの摂取もおすすめだということです。

プロテインパウダーで効率的にたんぱく質摂取

不足しがちなたんぱく質を補うため、プロテインパウダーの摂取がおすすめなことがわかりました。そこで、次はプロテインパウダーの効果について詳しく見ていきましょう。

低カロリー、低脂肪のプロテインパウダー

前章でご紹介した研究では、食事からのたんぱく質に加えてプロテインパウダー(ホエイ(乳清)プロテイン)が用いられていました。プロテインパウダー(ホエイ・カゼイン・ソイ・エッグ・ヘンプなど)は通常、高たんぱく質、低脂肪・低カロリーで、消化吸収も効率的です。

高たんぱく質な肉類などは脂質の含有量も多いのですが、プロテインパウダーは豊富なたんぱく質を効率的に摂取でき、かつ脂肪など余計なカロリーは少ないためダイエット中にも安心して摂取できます。食事からのたんぱく質摂取に伴うカロリーが気になる女性や、ビーガンなどベジタリアン志向の方にはおすすめです。

プロテインパウダーで筋トレ効果アップ

プロテインパウダーの有効性を調べたシステマティック・レヴュー(一定基準に見合った過去の研究報告を統合して解析する手法)では、プロテインパウダーの摂取が筋力トレーニングの効果をさらに高めたことが明らかになりました(Mortonら、2018年)。

別の研究では、12週間にわたって筋力トレーニングを行った女性では筋力や骨の健康が高まりましたが、ソイプロテインパウダーを摂取したグループのほうが摂取しなかったグループよりもそれらの効果が高まったことが示されています(Shenoyら、2013年)。しかも、筋力トレーニングを行わずソイプロテインパウダーを摂取しただけでも、小さいもののある程度の効果が見られたとのことです。

プロテインパウダーのタイプで効果がどう変わるのかは不明なものの、筋力トレーニングを行う場合は積極的にプロテインパウダーを摂取することで、最大筋力・除脂肪体重・筋量をさらに増加させられるかもしれません。

ただし、食事からのたんぱく質を含めて1日の摂取量が体重1kgあたり1.6gを超えるあたりからプロテインパウダーの有効性は小さくなることもわかっています。いくらでも摂取すればするほどよい、というわけではありません。たんぱく質の過剰摂取は腎臓や肝臓に余計な負担をかけてしまうリスクもありますので、摂取しすぎには気をつけましょう。

ダイエットや筋トレにはプロテインパウダーがおすすめ!

このように、減量や筋力トレーニングを行う女性には積極的なたんぱく質の摂取が必要です。さらに、効率よくたんぱく質を摂取できるプロテインパウダーの活用が効果的なこともわかっています。とはいえ、すべてのたんぱく質摂取をプロテインパウダーだけに頼るのはおすすめできません

加工されていない食品にはさまざまなファイトケミカルや抗酸化物質、食物繊維など健康維持に必要な栄養素が含まれているためです。日々の食事を通じて、通常の食品から摂取することと合わせて有効活用しましょう。

ダイエットや筋トレ中の方は、ぜひ普段の食事にプラスして、プロテインパウダーを摂取しては?

プロテインパウダー摂取時の注意点

プロテインパウダーを摂取する際は、以下のことに注意しましょう。

  • ・比較的高濃度で、良質なたんぱく質が含まれているものを摂取する
  • ・脂質、糖質、添加物などが必要以上に多いものは避ける
  • ・過剰摂取しない

プロテインパウダーには、ビタミン類やミネラル類が一緒に含まれていることもあります。これら必要な栄養素であれば問題ありませんが、脂質や糖質などの添加物が必要以上に添付されていると余計なカロリーを摂取してしまいますので、気をつけましょう

プロテインパウダー摂取のタイミングは、トレーニング直後でなくても構いません。数時間内など、その日1日の摂取量が不足しなければ問題ありませんので、摂取しやすいタイミングで摂取しましょう。また、プロテインパウダーの過剰摂取は腎臓や肝臓に負担をかけるだけでなく、結局は体脂肪に変わってしまうため、過剰摂取しないよう注意が必要です。

まとめ

美しいボディラインとリバウンドしにくい、痩せやすい身体を作るためにはある程度の筋肉量が必要不可欠です。そのため、ダイエットや筋トレ中の女性は、1日に必要なたんぱく質量よりも多めに摂取しなくてはなりません。加えて、食事からの摂取だけでなく、効率的にたんぱく質を摂取しやすいプロテインパウダーを併用するとよいでしょう。過剰摂取には注意しながら、上手にプロテインパウダーを活用しましょう。

監修者プロフィール

彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長
彦井浩孝NPO法人チャレンジ・アスリート・ ファンデーション理事長

スポーツ栄養学の観点からも、運動やスポーツにおけるマグネシウムの働きには注目すべきところが多くあります。にがりを水や飲料に薄めて使用することで、スポーツや運動を楽しむ方が日常から手軽に海からの自然なマグネシウムを摂取することができます。

【プロフィール】
オレゴン州立大学健康人間科学研究科博士課程修了。博士(Ph.D.)。NPO法人チャレンジ・アスリート・ファンデーション理事長。横浜市病院協会看護専門学校非常勤講師。
専門は運動生理学・栄養学・トレーニング学。トライアスロン歴32年。

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