女性の防災を考える〜食事編〜おすすめ長期保存食、手作り保存食もご紹介
東日本大震災から10年以上が経過した今も、各地で余震が起こったり、集中豪雨や猛暑などの自然災害が相次いだりしています。いざというときのため、改めて防災について気を引き締める必要があるのではないでしょうか。今回は、女性の防災において重要な食事について考えます。おすすめの長期保存食や、手作り保存食についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
災害時に食べ物を確保する
東日本大震災が起こった際、東京のスーパーやコンビニエンスストアの棚から、パンやレトルト食品、カップ麺などが一斉になくなりました。災害時には、食事をのんびり調理している暇も道具もありません。そのため、手軽に食べられる食品から品切れとなってしまったのです。
からっぽになってしまったインスタント食品やパンの棚を眺めながら、不安に駆られたのを覚えています。一方、調理しないと食べることが難しいと判断されるような生鮮食料品は、売り場にたくさん残っていました。ガスが止まった状況で、カセットコンロを備蓄していない場合、どうしても生鮮食料品から余りがちなのが現実です。
災害が起こった時、売り場から食品がすべてなくなるというこうした状況は、食べるものがない!と不安に駆られたことから行ってしまう行動によるものです。普段から食べられるものをしっかり備えておくことで、不安な心境や衝動買い、買い占めなどの行動を回避することができます。
「食の備え」をどう考えるか
みなさんのご自宅には、どれくらいの「食の備え」があるでしょうか。
例えば、防災食と呼ばれているものを備えるようにおすすめした場合、「災害が起きたときだけに食べる特別な食事」と思う方がとても多いのです。放置したまま賞味期限が切れていて、防災用品を見直したときにやっと気づいた、という経験がある人も多いのではないでしょうか。
私がお伝えしている「備え」とは、「災害が起こった時、できるだけ普段と変わらない生活ができるように準備しておくこと」です。食事でもそれは同じことで、可能な限り普段と変わらない生活ができるように準備しておくことを意識しましょう。
普段と変わらない生活をするために
できるだけ普段と変わらない生活をする、ということを念頭に置き、備えている食品の見直しをしてみましょう。「いつか食べるかも」「防災時だけ食べられればいい」というものではなく、食べ慣れているものを備えることが、いざというときに、普段と変わらない生活ができるポイントです。
例えば、「防災食」と考えるのではなく、「常温で長期保存可能な食品」と意識を変えてみましょう。そうすれば、幅広い食べ物を楽しむことができます。
おすすめ長期保存食品5選!
防災食にも普段の食事にも使える、おすすめの長期保存食品を5つご紹介します。
乾燥野菜(味噌汁の具)
種類が豊富な乾燥野菜は、味噌汁以外にもカップ麺やうどんそば、粉末スープに足して食べられます。野菜を足すことで腸内環境を整えられるため、ぜひ普段の食事にも活用しましょう。
自然解凍食品
停電を想定し、冷凍庫も活用すると良いでしょう。
お弁当用に販売されている、ハンバーグやコロッケ、魚フライといった冷凍食品は、そのまま食べたり、パンにはさんだり、カレーのトッピングにするなど、さまざまな活用方法があります。また、無印良品で販売されているおはぎや大福、わらび餅といった甘味は、頭が疲れたときのおやつにおすすめです。
ご飯のお供
おかずの品数が揃えにくい災害時には、鮭フレークや鷄そぼろ、佃煮など、瓶詰めタイプのごはんのお供があると食欲増進になります。
あんこ
つぶあん、こしあんなどお好みのあんこを常備しておくと、パンやクラッカーにぬったり、お餅と合わせたり、お湯に溶かしてお汁粉を作ったり、甘いものを欲した時にホッと一息できておすすめです。
豆乳
そのまま飲むのはもちろん、ホットケーキミックスと合わせてパンケーキを作ったり、シチューやスープを作ったり、水代わりに使用できます。
保存食を手作りする
市販の長期保存食品以外にも、手作りの保存食品を用意しておく方法があります。保存食とは、長期間常温で置いてあっても食べられるようにした食品のことで、食材を干したり、塩を使用して水分を抜いたりすることで保存性を高められるものです。
代表的な食品に梅干しや乾物などがありますが、例えば、切り干し大根は乾燥した状態から水分があれば戻るため、水がない場合でも野菜ジュースなどで浸して味付けすると、イタリアンサラダ風の一品が作れます。
他にも、旬の食材をつかったピクルスやお漬物を常備することで、野菜不足解消になります。季節ごとに果物でジャムを作っておくと、カンパンやクラッカーといったおやつもおいしさ倍増です。
保存食に目を向けてみると、それぞれの地域の文化や風土が大切に続いていることがわかります。旬を活用して仕込んでおき、備蓄してあるものと組み合わせれば、ライフラインが整うまでの期間、食べるものに困ることはありません。
まとめ
災害が起こったときでも、普段と同じような食事をとれるようにしておく「食の備え」。市販の防災食だけでなく、普段から保存食を食べ、いざというときに普段と同じような食生活を送れるようにしておくと、不安や衝動的な行動を引き起こしにくくなります。
私たちが生きる時代に求められるSDGsの観点からも、こうした先人から受け継がれてきた調理や保存方法、食文化を後世に伝えていくことが、これからを生き抜く知恵に繋がるでしょう。日々の暮らしの中で身につけておきたい「食の備え」、いっしょに取り組んでいきましょう。