塩は健康にいいの?塩の主な働き・成分とおすすめな種類の選び方
日本の食卓に欠かせない塩。健康面を気遣う方の中には、塩分の取りすぎが気になることも少なくないでしょう。そこで今回は、塩の働きや1日の摂取目安など、健康の観点から塩の基本情報を解説しながら、塩の選び方も併せてご紹介しましょう。
塩に含まれる主な成分とは?
塩の主な成分は、塩化ナトリウムです。塩化ナトリウムは体内を巡ることにより、汚れた血液をキレイにする役割があります。またマグネシウムやカリウムといった生命維持に欠かせないミネラルも豊富に含まれており、食用はもちろん、お肌に使用することができる食品です。
塩が持っている主な役割とは?
塩は、血液をキレイにするだけでなくさまざまな働きを持っています。ここからは、塩の主な役割について解説しましょう。
消化と吸収をサポート
塩は、体内でナトリウムイオンと塩化物イオンの2種類に分かれて吸収されます。
塩化物イオンは胃酸のもととなり、食べ物を消化・殺菌する働きを持っています。一方のナトリウムイオンは、食べ物から得た栄養を小腸で吸収する際に役立つ働きを持っており、体内に吸収されることで消化と吸収をサポートしてくれます。
細胞の働きを正常にする
塩は2種のイオンとして吸収されることから、血液・消化液・リンパ液といった体を流れる体液溶けて流れます。
特にナトリウムイオンは、細胞の働きを促すため、細胞の中と外で一定の濃さを保つ役割があります。バランスが崩れることで循環不全や脱水症状、また血圧低下といった症状が表れる原因となることから、健康維持と密接な関係であることがわかります。
また体が塩不足になると、新陳代謝も衰えや立ちくらみ・むくみにもつながります。
脳からの伝達をスムーズにする
ナトリウムイオンは、神経細胞が刺激や命令を伝える際に必要な成分です。塩不足は、脳からの指令がうまく伝達できなくなるため、体の不調が表れる原因の一つになります。塩は、細胞だけでなく、脳から体への伝達にも大きく関わっている食品です。
味覚の正常化を保つ
体のさまざまな機能を正常に動かす塩は、味覚にも関係してきます。塩不足は味覚が鈍ると同時に食欲が減って体力が落ちる場合もあります。適度な塩を摂るということは、味覚の刺激につながり、食欲の増加や健康的な体を保つために必要なことと言えます。
健康維持につながる!塩の1日あたりの摂取量
体に必要不可欠な塩は、1日の目標量(食塩相当量として)があります。
成人1人1日当たりの摂取量は、男性で7.5g未満、女性で6.5g 未満となり、取り過ぎてしまうと高血圧症や脳卒中、心臓病といった生活習慣病のリスクが増加します。適度な塩を摂る習慣をつけることで、健康的な体の維持につながります。
精製塩と自然塩(天然塩)の違い
塩は、大きく分けて精製塩と自然塩(天然塩)の2種類に分かれています。精製塩は化学の力を用いて海水を電気分解させて作られている塩であり、自然塩は塩田で作られた塩です。2種の違いは、塩になるまでの工程にあります。
健康にいい塩の見分け方と選び方
2種類ある塩のうち、どちらが体にとっていい塩であるのか、そして見分け方と選び方をご紹介します。
健康にいい塩の選び方
健康の観点から言うと、天日もしくは平釜で煮詰めて作られた自然塩(天然塩)がおすすめです。理由として精製塩は、原塩(主に輸入塩)を溶解し精製して作るため、ナトリウム以外の豊富なミネラルが製造過程により削ぎ落とされてしまうからです。
その分、100%の海水が原料となる自然塩(天然塩)の場合は、余分な工程を加えずに作られているため、ミネラルが豊富に含まれています。
種類やメーカーによっては、塩気の中に甘味が感じられることもあり、料理の味に深みを与えてくれます。
健康にいい塩の見分け方
食品には、基本的に原材料や工程などの表示が義務付けられています。そのため、裏面の成分表にて、原材料や工程が一目で確認できます。
天日や平釜で作る自然塩(天然塩)に対し、精製塩はイオン膜や立釜、乾燥での工程で塩が作られます。また中には再加工して作られた塩もあり、再加工する過程でグルタミン酸ナトリウムや炭酸マグネシウムなどの食品添加物が加えられていることもあります。
健康の一環として塩を選ぶ場合には、裏面の成分表を確認し、自然塩(天然塩)を選ぶことをおすすめします。
まとめ
塩は、生命維持に欠かせない役割を持っている食品です。1日の摂取量や体にいい塩の選び方を身につけることで、健康的に塩を取り入れることができます。塩を購入する際は、ぜひ一度成分表をチェックしてから手に取るようにしてみてください。