マグネシウムの美容効果:水分の不足したお肌に潤いを与えるって本当?
体質的に乾燥肌の人や、加齢によって皮膚が乾燥しやすくなっている人にとって、お肌の水分不足は重要な問題です。乾燥したままにしておくとつらいかゆみが生じ、引っ掻くことで余計に乾燥がひどくなる悪循環に陥ることもあります。こうした乾燥肌の改善に、マグネシウムが重要な役割を果たすことがわかっています。
乾燥肌が問題なのはなぜ?放置してはいけないの?
乾燥肌はよく問題視されますが、なぜ問題視されるのでしょうか。そして、乾燥肌を放置しているとどんな問題が起こるのでしょうか。
乾燥肌の人は「皮膚のバリア機能」が低下しやすい
乾燥肌の人は、かゆみを強く感じやすくなっています。汗をかく、温度や湿度の変化、石けんやシャンプーに含まれる界面活性剤などのわずかな刺激のほか、精神的なストレスでもかゆみを感じてしまいます。
こうしたつらいかゆみが続くと、ついつい皮膚を引っ掻いてしまうことも少なくありません。すると皮膚にダメージが加わり、皮膚のバリア機能が低下します。そこからさまざまな刺激物質が皮膚から侵入しやすくなり、皮膚の炎症も起こりやすくなるのです。
バリア機能が下がった皮膚は非常にデリケートな状態であり、外部の刺激だけでなく雑菌も入り込みやすくなるため、細菌感染などにつながることもあります。
乾燥肌にはスキンケアが重要!
前述のような皮膚のバリア機能を復活させるため、スキンケアの中でも特に保湿が重要です。その際、「角質層を柔らかくし」「水分を保持し」「皮膚のバリア機能を強化する」という3つのポイントを意識した保湿を行えるのが理想的ですが、現在、この3点をすべて備えた保湿薬はありません。
角質細胞同士を結合し、皮膚を丈夫にするのは「セラミド」という物質の役割です。ですから、セラミド量(特にアシルセラミド)の減少が乾燥肌の原因の一つと考えられます。この点で言えば、セラミド配合の保湿薬はあるものの、アシルセラミドではないため皮膚のバリア機能改善に関してはあまり期待できません。
セラミド量は加齢でも低下する
年齢を重ねるごとに肌が乾燥しやすくなり、高齢になるとお肌が乾燥している人が多くなります。これは、若い人に比べて高齢者では表皮が分厚くなる傾向にあるものの、その細胞の間には隙間ができたり、並び方がばらばらだったりすることが関係していると考えられます。
お肌の細胞に隙間ができたり並び方がばらばらだったりすると、お肌の保湿機能が低下し、その結果お肌の水分量も減って乾燥しやすくなります。すると、乾燥肌と同様なかゆみのほか、灼熱感、ヒリヒリする痛みやツッパリ感などが生じることもあります。ですから、高齢者の肌にも保湿が重要なのです。
マグネシウムは乾燥肌を改善する!?
前述のように、乾燥肌にはさまざまな問題があることがわかりました。そこで、お肌に潤いを与え、乾燥肌を改善する物質としてマグネシウムが注目されています。
マグネシウムで保湿とアシルセラミド合成のダブル効果
乾燥肌は、皮膚を保護(バリア)するセラミドが加齢とともに減少することが原因の一つと考えられています。また、食生活の大幅な変化によるマグネシウム不足もまた、乾燥肌の原因の一つとされています。食生活の変化によって穀物を食べなくなった結果、マグネシウムの経口摂取量が減ってしまったというわけです。
マグネシウムは保湿作用が強く、さらにマグネシウムの作用でアシルセラミドの合成が高まるというダブルの効果が期待できます。つまり、日常からマグネシウムを多く含む食品を積極的に摂ることで、セラミドの合成・産生が高まると言えるのです。
例えば、フランス発祥の「タラソテラピー(海洋療法)」はまさに海水中に含まれるマグネシウムの保湿作用を利用したものです。マグネシウムを含む入浴で肌の各層が整い、潤いを保つといわれています。
潤い美肌になるためのマグネシウム活用法
マグネシウムをしっかり摂取し、体の内側からセラミドの合成・産生を高める事が大切です。マグネシウムは海藻や雑穀に多く含まれていますが、毎日補給するのが難しい場合は、にがりや海洋深層水飲料で補給するのがおすすめです。
マグネシウムを多く含む食品は、「そばの ひまごと まごわ(は)やさしい子かい 納得!」と覚えましょう。下の写真を参考に、毎日の食事にバランスよく取り入れてください。
他にも、マグネシウム入りの入浴剤を使い、お風呂に溶かして入浴することでも乾燥肌改善の効果が得られると期待できます。*
マグネシウムは熱で変化しないので、入浴にも適しています。
参照:*2019.4.6放送 BSプレミアム「美と若さの新常識」
肌荒れにも効果的!?
マグネシウムは乾燥肌だけでなく、肌荒れの原因である便秘にも効果があるといわれています。
便秘については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
乾燥肌を放置しているとひどいかゆみが生じ、ひっかいて炎症がひどくなる悪循環に陥ってしまいます。加齢でもお肌は乾燥しやすくなるので、保湿が重要です。お肌を保湿しセラミドを増やすマグネシウムをカラダの内外から摂取し、乾燥肌を改善しましょう。