筋肉痛が時間差で遅れてくるのはなぜ?年齢との関係性を徹底解説!
年を重ねるごとに筋肉痛が遅れて来る、という通説は非常によく知られています。若い頃は運動をするとすぐ筋肉痛が来たのに、加齢によってだんだん筋肉痛が来るのが遅くなり、翌日や数日後になると感じている人も多いのではないでしょうか。 しかし、これは事実なのでしょうか。今回は、運動と筋肉痛の関係について解説し、筋肉痛を避ける方法や和らげる方法についてご紹介します。
年を重ねるごとに、筋肉痛が遅れて来るって本当?
引き締まった美しいボディーを保つために、筋トレを行う女性が増えています。年を重ねると若い時よりも筋肉痛が遅れてやって来る、というように感じる方も多いですが、それは迷信だということがわかってきました。
「年を重ねると筋肉痛が遅れて来る」はウソだった!
運動をしたことによって起こる筋肉痛は「遅発性筋肉痛」と呼ばれています。ある研究では、青年・壮年・高年者群に最大等尺性筋力40%の負荷でダンベルカールを行ってもらったところ、筋肉痛の発生は全ての群で同じ翌日に確認され、2日後にピークを示しました。
つまり、年齢によって筋肉痛の現れる時間に差はなかったのです。
筋肉痛が出るのは個人差?
筋肉痛の発生やその程度には、年齢よりも個人差が大きく関係しますので、運動の経験やもともとの体力(筋力)、筋肉の線維のタイプや伸びやすさなどによって変わってきます。
また、青年よりも壮年の方が筋肉痛が遅れて現れると感じるのは、運動後の筋肉の回復スピードが老化によって遅くなるためだと考えられます。この遅れが筋肉痛を長引かせ、筋肉痛が後から起こったような錯覚を生んでいるかもしれません。
ひどい筋肉痛、どうすれば避けられる?
筋肉痛は「コンセントリック運動」より「エクセントリック運動」の時に起こりやすいことがわかっています。「コンセントリック運動」というのは、簡単にいうと「力を入れる時の動作」で、「エクセントリック運動」は「力を入れながら戻る動作」のことです。
筋トレを例にすると、腕立て伏せなら肘を曲げたところから伸ばす動作が前者、肘を伸ばしたところから体重を支えながら肘を曲げる動作が後者です。スクワットなら、膝を曲げたところから伸ばす動作が前者、脚を伸ばしたところから体重を支えながら膝を曲げる動作が後者です。他にも、山登りでは力を入れて登る登りより、体重を支えながら降りてくる下りのほうが筋肉痛になりやすいのも、このエクセントリック運動によるものです。
この点を知っておけば、安全に効果的に筋トレを行うヒントになるでしょう。
筋肉痛があるときに、運動しても大丈夫?
筋肉痛があっても、毎日の運動習慣を崩したくない人もいるでしょう。筋肉痛があっても、運動して良いのでしょうか。
過度な運動は控えよう
筋肉痛がある場合、筋肉がまだ回復している途中なので、負担をかけすぎることは控えましょう。特に、筋トレを始めたばかりでは、筋肉痛が長い期間(1週間以上)続くこともあります。また、痛みをかばうために不適切なフォームで運動して、他の部位に負担をかけてしまうかもしれませんので、注意が必要です。
別の部位や全身運動がおすすめ
無理をせず、筋肉痛のない部位のトレーニングを行うか、水泳などの全身運動で筋肉のコンディションを整えましょう。慣れてくれば、少しばかり筋肉痛があっても、筋肉痛になった運動を再開しても構いません。
さらに、最初は筋肉痛になった運動でもやがて筋肉痛にならなくなってきます。これは、筋肉が同じ負荷に耐えられるように強くなったと言えるでしょう。
筋肉痛を和らげるためにできることは?
では、起こってしまった筋肉痛を和らげるためには、どんなことをすれば良いのでしょうか。
氷で冷やす「アイシング」をしよう
筋肉痛を和らげる方法については、氷で冷やすなどのアイシングが有効です。入浴やマッサージは痛みを和らげるには良いのですが、炎症からの回復を促すものではありません。むしろ運動直後の入浴による血流上昇や、マッサージやストレッチングによって使った筋肉にさらに負荷をかけて筋肉痛が悪化することがありますので注意しましょう。
痛い部位は休ませよう
筋肉痛のときはその部位の筋肉を休ませたり、または軽い運動を行ったり、筋肉痛がある筋肉とは違う筋肉を使った運動をしましょう。
その場合に行う運動は、上記のように筋肉痛を引き起こしやすい動作パターンである「エクセントリック運動」を伴うことが少ない、水泳や自転車などがよいでしょう。ジョギングも「エクセントリック運動」を伴うため、避けておいた方がよいと考えられます。
まとめ
筋肉痛が時間差で来るのは、個人差が大きいです。加齢で遅くなるように感じるのは、筋肉の回復スピードの差による錯覚かもしれません。筋肉痛があるときは負荷をかけすぎず、他の部位の運動や軽い運動をしましょう。