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【薬剤師監修】便秘解消のための5つのスッキリ習慣とは?

だるさやイライラ感、肌荒れ、不眠に至るまで、心身にさまざまな不快な症状を引き起こす便秘。ここでは、多くの女性を悩ませる便秘を解消するメリットについて説明した上で、毎日実践したい便秘解消テクニックをご紹介します。

女性のおなか

約478万人もの日本人が悩んでいるとされる便秘。とくに女性は男性よりも便秘を招きやすく、肌荒れや肩こりなど不快な症状に苦しむこともしばしばです。しかしデリケートな問題だけに人に相談しづらいのも事実。効果的な便秘解消法を求め、試行錯誤している方も多いのではないでしょうか。

ここでは、そんな便秘を解消するメリットについて説明したうえで、きっと納得して取り組んでいただける5つのスッキリ習慣をご紹介します。

深層1:あなたは大丈夫?便通チェック

排便のリズムには個人差がありますが、次の症状の1つでもあてはまれば便秘が考えられます。たかが便秘と放置していると、不眠や肌荒れ、痔、大腸がんなどを招くおそれがあり、注意が必要です。




便秘解消の嬉しいメリット

便秘は腸のSOS。腸は、食べ物を消化・吸収し、栄養素や水分を体のなかに取り入れて、血液の質を決定する大切な臓器です。したがって腸内環境を整え腸のぜん動運動を活発化することで排便のメカニズムが軌道に乗ると、便がスムーズに送り出されるようになり、膨満感・お腹の不快感の解消につながります。

また、腸内がきれいだとサラサラの良質な血液が全身をめぐるため、肌トラブルや冷え症の改善が期待できるうえ、細胞が活性化しエネルギー代謝がアップして太りにくい体質がつくられます。さらに、睡眠を促すメラトニンや、リラックスに繋がるセロトニンなどのホルモンが活発化し、不眠対策効果やストレスの解消や精神的な安定にもつながりやすくなります。

深層2:便秘を解消する方法って?

バランスのいい食事

上記したとおり、便秘解消のためには、腸内環境を整えることが基本です。そのためには健康的な食事で体の内側から腸を磨くことが不可欠。必要な栄養素(とくに食物繊維、動物性と植物性の乳酸菌、オリゴ糖、ビタミンE)はもちろんのこと、カリウム、マグネシウムなど、なるべく多彩な栄養素を摂るようにしましょう。

また腸を内側からも外側からも刺激して動きを活発化することも大切です。冷水などで腸に刺激を与え、食物繊維と水分を積極的にとって便の量を増やすこと、規則正しい食事で排便リズムの調整を意識することが効果的です。外部からの刺激としては、毎日の継続的な運動が必要です。

これらを具体化したものが、次に記す「便秘解消のための5つのスッキリ習慣」です。

①朝1杯の水を飲む

便通をよくするためには、腸のぜん動運動を活発にする必要がありますが、そのために行いたいのが、起床後すぐにコップ1杯の水を飲むことです。

起きぬけの「冷たい水」により五感と冷温感を刺激することで、空の胃が消化の準備に向けて動き出します。するとそれを感知した腸もリズミカルなぜん動運動を始め、便が直腸に向けて送られるようになります。水分が腸に届けば便を柔らかくする効果もあり、便秘の原因である水分不足に対応するという目的もあります。

②こまめな水分補給を

快適な便通のためには、便が適度な硬さ(水分が70~85%程度)であることが大事です。これより硬い便は体内の水分が不足している場合です。水分補給が重要ですが、一度に大量の水分をとると胃腸に負担がかかるので、こまめな補給を心がけましょう。

また、せっかくなら摂取する水の栄養素にも気を配りたいものです。たとえばミネラルの一種のマグネシウムには、腸内で水分を集めて便を柔らかくする効果があります。

▼海洋深層水★を飲むことで便秘を解消するデータ/第22回日本臨床内科医学会(2008)

対象者:便秘傾向、または腹部膨満感・腹痛・残便感・その他腹部の不快感がある男女
飲用期間:4週間(飲用量:1日500ml)

大阪府内科医会の行った有用性の評価(主治医の評価)では、「硬度1000の海洋深層水」の飲用は約6割の方に有効と報告されました。これは海洋深層水★に含まれるマグネシウムの働きによるものと考えられています。
★一般的な海洋深層水飲料のことを示しています。

③食物繊維は「水溶性」と「不溶性」を意識して(※1)

便のかさを増やして形をつくったり、柔らかくして排泄しやすくするはたらきがある食物繊維は、便秘改善のためには欠かせない栄養素です。食物繊維は、水に溶けず消化吸収されない「不溶性」と、水に溶けて腸内で分解、発酵される「水溶性」の2種類があります。

不溶性食物繊維は、玄米、大豆、ごぼう、キノコ類などに多く含まれ、腸の中で水分を吸収してふくらむことで腸を刺激し、ぜん動運動を活発にします。

また、海藻類、こんにゃく、オクラなどに豊富に含まれる、水溶性食物繊維は、水を含むとぬるぬるしたゲル状になり、腸内の有害物質を吸着して排出するとともに、善玉菌を増やして腸内環境を整えます。

食物繊維の摂取の目安量は、18~69歳では1日あたり男性20g以上、女性18g以上(※2)とされていますが、意識しないと不足しがちです。また健康な排便のためには、適度な水分摂取も必要です。1日1.5~2ℓをこまめに飲むことをこころがけましょう。

※1)過敏性腸症候群の場合、不溶性食物繊維の摂りすぎは下痢につながるおそれがあるため、注意が必要です。
※2)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)

④便意を我慢しない

便意を我慢することが習慣になってしまうと、だんだんと便意自体を感じなくなってしまいます。朝起きたら、まずトイレに向かうことを習慣にしましょう。毎日定刻にトイレに行くことで、しだいにその習慣に脳や体が順応し、便意が起こるようになります。ただし、長時間トイレに座っていると血行が悪くなり痔の原因になることがあるので注意が必要です。

⑤ベッドでできる!毎朝の便秘解消ストレッチ

スムーズな排便のためには、運動で「外から」腸に刺激を与えることも有効です。とくに排泄の時間帯である朝のストレッチは、眠っていた腸を目覚めさせ、ぜん動運動を活発化するほか、血流を促し、冷えを取り去る効果も期待できます。起きてそのまま、ベッドの上でできる簡単な便秘解消ストレッチご紹介します。

【足上げ】

足上げのストレッチ

<方法>
仰向けになり、骨盤を起点に足を30㎝ほど浮かした状態を10秒間キープします。これを5回繰り返します

【逆さ自転車こぎ】

逆さ自転車こぎのストレッチ

<方法>
腰を両手でしっかりと支え、両足を空中に持ち上げます。この状態から、自転車をこぐように片足ずつゆっくりと回転させます。30秒を目安に行いましょう。

深層3:健康的な生活で、腸本来の働きを取り戻す

伸びをする女性

腸に負担のかかる便秘解消法や強い作用の薬剤に頼っても、根本的な解決にはつながりません。ご紹介した5つの習慣は、言い換えれば「食物繊維と水分補給を意識した健康的な食生活」、「運動と排便の習慣」というシンプルなもの。それだけに、体本来の働きを取り戻すことで、自然と便秘を解消する方法といえます。便秘にお悩みの方は、まずは一つからでも始めてみてはいかがでしょうか。

※繰り返す便秘、長く続く便秘の症状が改善しない場合は、病気の可能性があります。自己判断をせず、医師の診断を受けることをおすすめします。

監修者プロフィール

境剛史薬剤師
境剛史薬剤師

神戸薬科大学大学院 修士課程修了。約20年企業に勤務し、健康相談や薬と健康食品の飲み合わせ相談などに対応している。趣味はツーリング。

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