低糖質・高タンパクなおからレシピで、健康的な身体づくりをしよう!
豆腐を作るとき、豆乳を絞ったあとに残る「おから」。関東では「卯の花」とも呼ばれ、ヘルシーでバリエーションに富む食材として人気を集めています。特に、最近では低糖質なロカボダイエットを行う人も多く、低糖質・高タンパクな「おから」はますます注目されてきました。今回は、そんな「おから」を使ったレシピをご紹介します。
おからが健康に良いって本当?
「おから」とは、ざっくり言えば大豆から豆乳を絞った残りかすのことです。しかし、栄養分が豊富で近年では健康食品として注目されています。低糖質・高タンパクなほか、以下のように食物繊維やカルシウム・カリウムなどをたっぷり含む食材です。
- (100g中/日本豆腐協会より)
- タンパク質 6.1g
- 食物繊維 11.5g
- カルシウム 81mg
- カリウム 350mg
大豆の食物繊維は「セルロース(不溶性食物繊維)」で、水に溶けず水分を吸収する性質があります。すると、便のかさを増やして腸の蠕動運動を促し、便秘を解消したり、腸内の残留物を掃除したりできます。さらに、これらの効果が大腸がんの予防にもつながると考えられています。おからにはゆで大豆の約40%ものタンパク質が残っていますので、良質な植物性タンパク質をたっぷり摂取できるのです。
おからはロカボな「低GI食品」
「GI(ジーアイ)」とは「Glycemic Index(グリセミック・インデックス)」の略で、食品に含まれる糖質の吸収度合いを表します。グルコースを100とし、数値が高い食材ほど血糖値を急激に上昇させ、数値が低い食材ほど血糖値を緩やかに上昇させます。
このため、数値の高い食品(高GI食品)を食べると「突然、体内の血糖値が増えた!」と身体が認識するので、急激に大量に血糖値を下げるための「インスリン」というホルモンが分泌されてしまい、糖尿病や肥満を引き起こしやすくなってしまいます。
GI値の基準は研究機関によってさまざまですが、『低インシュリンダイエット 日常食品 GI値ブック』永田孝行監修によると、GI値は60以下の食品(低GI食品)を選ぶのがおすすめです。おもな食材のGI値は、以下のようになっています。
- (100gあたり)
- 精白米 84
- じゃがいも 90
- 食パン 91
- うどん 80
- そば 59
- 牛肉(バラ) 45
- 豚肉(バラ) 45
- 鶏肉(モモ) 45
- さんま 40
- まぐろ 40
- 豆腐 42
- おから 35
- 牛乳 25
- 鶏卵 30
普段なにげなく食べている白米やパンなどの炭水化物は、GI値が非常に高いことがわかります。そこで、おかずにおからを採り入れ、血糖値を急激に上がりにくくするのが大切です。
「おから」そのものはもちろん、使いやすい「おからパウダー」なども良いでしょう。おからパウダーは、クッキーやパンにしたり、ダイエット食品にちょい足ししたり、ポテトサラダに加えたりとさまざまな料理に使えます。ぜひ、今回ご紹介するおからレシピやおからパウダーを上手に使い、普段の食事から健康づくりを心がけましょう。
ダイエットにも生活習慣病予防にも!おすすめおからレシピ4選
では、おすすめのおからレシピを4つご紹介します。主食からおかず・スイーツまで、ぜひ採り入れやすいものから始めてみてください。
香ばしいおから入りのフォカッチャ
おからを使えば、自宅で美味しく健康的なフォカッチャが作れます。イタリアンはもちろん、洋食の主食として合わせるのも良いでしょう。
- <材料>
- 強力粉 250g
- おからパウダー(炒る) 16g
- 砂糖 13g
- 天塩 4g
- イースト 3g
- 豆乳 84g
- 水 150g
- オリーブオイル 25g
- <作り方>
- 1.材料をすべてボウルに入れ、こねる。
- 2.ひとまとまりになったら丸め、ラップをし、60分発酵させる(二倍になるまで)。
- 3.一度空気を抜き、再度丸め、15分休ませる。
- 4.オーブンの天板に、オーブンシートを敷く。
- 5.生地を麺棒で伸ばし、4.の天板におく。
- 6.30分間、最終発酵する。
- 7.分量外のオリーブオイルと”カリッと塩”をふり、指でくぼみを作る
- 8.200℃のオーブンで12分焼き、完成
炒ったおからの香ばしさと、おからの食感がおいしい食事パンです。オリーブオイルと”カリっと塩”がパンの美味しさを引き立ててくれます。
レンジで簡単卯の花
日本料理の定番として、昔から親しまれてきた味です。にんじんや椎茸などの野菜をあえることで、ビタミンやミネラルも補えます。
- <材料>
- おからパウダー 40g
- 鶏ひき肉 100g
- にんじん(千切り) 1/4本
- 椎茸(千切り) 3枚
- 薄揚げ(軽く焼き短冊切り) 1/2枚
- 枝豆(茹でたむき身) 適量
- 太白ごま油 大さじ1
- めんつゆ(ストレート) 200ml
- 水 200ml
- <作り方>
- 1.耐熱のボウルに、枝豆以外の材料を入れ混ぜる。
- 2.ふんわりラップをかけ、電子レンジで600W、5分加熱する。
- 3.中身を混ぜ、再び電子レンで600W、5分加熱したら、ラップを外して冷ます。
- (※水分が少し残るくらいで出来上がり。冷ましている間におからが水分を吸収します)
- 4.うつわに盛り、枝豆をちらす。
電子レンジで作るので、焦がしてしまう心配がなく、誰でも失敗せず簡単に卯の花が作れます。夕食のおかずにあと一品というときにも、サッとできておすすめのおかずです。
時短!ポテト風おからサラダ
高GI食品のじゃがいもの代わりに、低GI食品のおからを使ったレシピ。食感は似ているのに、ぐっと糖質を控えて血糖値の急上昇を抑えられます。
- <材料>
- おからパウダー 20g
- 豆乳 80g
- かにかまぼこ 4本
- きゅうり 1/2本
- 天塩 ひとつまみ
- ▽調味料
- マヨネーズ 大さじ4
- プレーンヨーグルト 大さじ1
- 天塩 少々
- こしょう 少々
- <作り方>
- (下準備)かにかまぼこは、ほぐしておく。きゅうりはスライスし、塩もみ。
- 1.ボウルに豆乳とおからパウダーを入れ、よく混ぜる。
- 2.1.に調味料を入れ、混ぜる。
- 3.かにかまぼこときゅうりを入れ、混ぜる。
- 4.天塩で味付けし、完成。
じゃがいもは火を通さなくてはなりませんが、おからパウダーなら火を使わなくても、混ぜるだけで簡単に似た食感のサラダが作れます。ぜひチャレンジしてみてください。
しっとりおから蒸しパン
美味しいスイーツもおからを入れて作れば、食物繊維が豊富で低糖質になります。ワンポイントに載せる鹿の子などはお好みで構いません。
- <材料>
- おからパウダー微粉砕60 15g
- 豆乳又は水 75g
- 抹茶粉末 3g
- サラダ油 大さじ1/2
- 砂糖(お好みで調整) 5g~15g
- ベーキングパウダー 1g
- 卵 1個
- <作り方>
- 1.耐熱のボウルにすべての材料を入れたら、泡立て器で混ぜる。
- 2.カップに流し入れてふんわりラップをし、500Wで3分電子レンジにかける。
お抹茶風味でしっとりおいしい蒸しパンです。食物繊維も豊富で、ついつい食べ過ぎてしまうかも!子どものおやつにも、大人の健康スイーツにもぴったりです。
まとめ
低糖質・高タンパクで食物繊維も豊富なおからは、ヘルシーなダイエット食品としても、良質なタンパク質で身体づくりにもおすすめです。低GI食品なので、血糖値が急上昇しにくく生活習慣病予防にもつながります。ぜひ、今回ご紹介したレシピを参考に、普段の食生活におからを採り入れましょう。