女性の防災を考える〜レシピ編〜おすすめ時短レシピをご紹介
東日本大震災が発生した2011年から10年以上が経過しましたが、その間にも熊本地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震、台風19号と、多くの自然災害に見舞われています。災害が起こる場所もさまざまで、日本中どこにいても、確実に安全な場所があるとは言えません。私たちができることは、常に大規模災害を想定して、充分に備えておくことです。 今回は、普段からできる時短レシピとともに、備えや非常食についての考え方をご紹介します。
近年の備え
「備え」と聞くと、防災リュックや非常食(長期保存食)といった特別なものを連想することが多いでしょう。最近では、コンビニエンスストアや100円均一といった身近なお店にも防災グッズ専用の陳列棚が設置してある店が増えてきているため、比較的買い揃えやすい環境になってきました。もちろんこうした防災グッズも必要なのですが、最も重要なのは食の備えです。
災害現場の現実
東日本大震災のときは、食品メーカーや支援団体が被災地に食べ物を届けてくれたおかげで、パンやおにぎりなどの食糧物資そのものはたくさんありました。しかし数日間、慣れない環境でストレスを抱える中、毎食同じものを食べ続けてしまうことで、食が細くなったり、飽きてしまう人が増え、せっかく届いた食糧の賞味期限が切れてしまい、大量に破棄されてしまったという実例があります。
最近の非常食
こうした経験を踏まえて、防災食品メーカーは、災害時に食事に飽きることがないようにと、食品の種類や品揃えを充実させてきました。また、日本で暮らす外国人のためにも、洋風なレトルト食品や、アルファ化米を世界各国の味付けで発売するなど、食品メーカーのさまざまな挑戦が続いています。
災害時の栄養不足
もしも大規模災害が起こってしまった場合、こうした飽きがこない食品たちのおかげで空腹をしのぐことができます。しかし、栄養不足の問題は尽きません。私たち人間の体はとても繊細で、災害が起こってしまった際、環境の変化や食生活の変化など、さまざまな要因で体調不良になりがちです。
野菜不足
おにぎり、パン、お弁当といった食事が続くと、お腹は満たされますがどうしても野菜不足になってしまいます。野菜不足になると免疫力が低下し、疲れやすくなったり、腸内環境が悪化したりするため、災害時にも自分で工夫しながら野菜を摂取しなくてはいけません。今回は、そんなときに役立つ栄養バランスがとれたレシピをご紹介いたします。
常備しておきたいトマト缶
今回は、トマト缶を使ったレシピをご紹介いたします。開けたらそのまま食べられる便利なトマト缶は、冷製スープにしたり、パンやクラッカーのディップなどで食べたりするのもおすすめです。また、加熱することで幅広くアレンジできます。
普段から時短調理
日常から時短調理をしておくことで、災害時にもカセットコンロなどを活用して、簡単に野菜摂取ができるようになります。また、常温で長期保存可能なウィンナーやベーコンもスーパーで販売しているので、こうした商品を購入しておけば、いざというときに役立ちます。
災害時にも使える時短レシピ「和風トマトナポリタン」
今回は、災害時にも普段の食事にも使える時短レシピ「和風トマトナポリタン」をご紹介します。普段から食べ慣れておくことで、災害時にも食生活の大きな変化にならず、いつもの体調を保ちやすくなるでしょう。今回ご紹介するレシピは、だいたい調理時間15分くらいです。
- <材料(2人分)>
- トマト缶 100g
- ケチャップ 50g
- 白だし 15g(大さじ1)
- 砂糖 15g(大さじ1)
- オリーブオイル 15g(大さじ1)
- ウィンナー 80g(約4本)
- 玉ねぎ 1/2
- ピーマン 1/2
- パスタ麺 100g(早茹で用)
- 水 200ml
<作り方>
※食材はそれぞれ切っておく。
①フライパンに水とパスタ麺を入れ、水分が少なくなるまで煮る。
②①の水気がなくなったら、オリーブオイルを熱し、ウィンナー、玉ねぎ、ピーマンを入れて炒める。
③玉ねぎが透き通ったら、砂糖、トマト缶、ケチャップ、白だしの順に入れ、よく炒めたら完成。
いつもと変わらない食事
災害が起こった時こそ、普段と変わらない生活ができるよう備えておかなければいけません。環境はどうしても変わるため、食生活だけでも普段通りにして体調を整えてください。そのためには、常温で開けたらそのまま食べられるもの、組み合わせたら食べられるものなど、複雑な調理をしなくても食べられるものがたくさんあることを知っておきましょう。
「備える」とは、「普段と変わらない生活ができるように準備しておくこと」です。まずは野菜不足を解消するため、食の備え、料理から実践していきましょう。
まとめ
「防災の備え」というと、どうしても防災グッズや非常食などを想像してしまいがちですが、大切なのは食の備えです。東日本大震災の時にも多くの食糧支援が行われたものの、パンやおにぎりなどが多く、同じメニューで飽きてしまう人が出たり、野菜などの栄養不足になったりしてしまいました。普段から組み合わせるだけ、開けるだけで食べられる食品をたくさん知っておき、災害時にも上手に野菜を摂取して栄養不足を防ぎましょう。